どれを信じればいいの??

熱研究室にあるpH計がおかしいという事で、わが研究室のpH計を持って行きました。同じ純水に対して誤差が0.2以上(ヒドいときは0.5以上)ありました。これは誤差の範囲と言えるのでしょうか??自分は言えないと思います。
今日もう一つ勉強になったのが純水のpHは7.0とは限らないという事。以下にその理由を示します。
1. 緩衝作用の少ない純水の場合では、極微量ですが電極膜のガラスが溶解するので、そのアルカリイオンの存在により影響を受ける。そのため、同じ純水を等しい温度で測定しても、電極用のガラスの種類が異なると、異なったpH値を示すことはよくある。
2. 空気中の炭酸ガス(大気の約0.03%)が純水の中に溶解して、時間と共にpH値を変化させる。(pH値が低めになる場合はこの理由が多い)
3. 比較電極から、微量だが塩化カリウム溶液が流出するので、塩化カリウムやその不純物の影響を受けやすい。(pH値が高めになる場合はこの理由が多い)
4. 測定に用いたビーカーなど容器が汚れている場合、測定した他の溶液が電極に付着している場合など、たとえ極微量であっても純水の場合はpH値を変化させる原因となる。
5. 純水が流れている場合には、純水の電気伝導率がきわめて小さいので、流動電位が発生しやすく、また電気伝導率が小さいので、漏れ電流や外部からの誘導の影響を受けやすい。

すなわち純水のpH測定は、(1)〜(4)の緩衝作用が少ないこと、(5)の電気伝導率が小さいことなどのために、正確なpH測定はきわめて困難で、通常得られる測定値の信頼性はあまりないと言えます。今まで自分が培地(細菌を繁殖させるための液体)のpHをpH計で計測しながら7.0としていたのですが、どうなんでしょうかね??今頃になってものすごく疑問になります。。。